みなさまは勉強やスポーツで何かで1番を取ったことはありますでしょうか?
ちなみに私は無いです。(あったかもしれないけど忘れてしまった)
今度は別の質問を。何かで1番を取るってどんなことが必要だと思いますか?
例えばあなたが高校生でテニス部だった場合、県大会で優勝するためには何が必要ですか?
体力?技術?たくさんの練習?
人それぞれ色々な事を考えたかもしれませんが、その答えの1つを教えてくれるのが
今回紹介する本「習得への情熱ーチェスから武術へー」になります。
この本は全米ジュニアチェス選手権(21歳以下部門)2年連続優勝、世界チェス選手権(18歳以下部門)ベスト4のチェスの腕前のジョッシュ・ウェイツキンさんが書かれています。さらに彼は成人してから太極拳の一部門である推手を習いはじめ、数年のうちに全米選手権および世界選手権のタイトルを獲る実力者です。
そんな彼が、数々の競技で世界トップクラスになれた自身の学習方法やトレーニング(習得の技法)について振り返り、明確に説明してくれたのがこの本になります。
私も成人してからプログラミングを学ぶ身で、どうすれば早くReactやPythonを使いこなせるようになるか知りたくて、この本を読ませてもらいました。
今回はその読書感想文回として、ざっくりと紹介していこうと思います。
概要
この本ではいくつかの学習における重要な点について書かれています。箇条書きしてしまうと
- 実体理論と増大理論
- 単純な問題を用意して、重要な原理原則を理解していく
- 集中力の持続(本書ではゾーンという言葉)
- 感情を燃料にする
という内容になります。
例えば実体理論や増大理論が何かというと
実体理論者は「自分は○○が得意。××が苦手。親も得意じゃなかった」とある特定の知識や技術のレベルを進歩させることのできない実体として考えるタイプ。
増大理論者は「上手くいったのは頑張って取り組んだおかげだ。上手くいかなったのはもっと頑張るべきだった」とどんなに未熟な知識や技術においても、一歩一歩技術を習得していくことで雪だるま式に能力を増大させることができると考えるタイプ。
この2つだともちろん増大理論者の方が、知識や技術を習得しやすいと本書では述べてます。
そしてこうしたマインドを持つことの重要性やどうしたら持てるようになるかを説明してくれています。
本書ではジョッシュさんの実体験を踏まえて、より具体的な内容で
説明をしてくれます。
個人的にプログラマーとして重要な学びが得られると考えているのが「単純な問題を用意して、重要な原理原則を理解していく」の内容で、これはジョッシュさんがチェスを学んでいく時に、キングとポーンに対してキングのみの状況を学んでいったそうです。
この学習プロセスで彼はそれぞれの駒に対して繊細な感覚を持てたと語っており、これは例えば本ブログで紹介しているようなMatplotlibやnumpyの記事で行っている内容にも言えることではないでしょうか。(言えなかったら申し訳ない)
技術習得におけるメンタルの重要性に気づく
ここからは私の自分の内容になります。
この本に書かれている内容は、自分の体験してきた31年をよく表しているなと感じました。
(なにかのチャンピオンになった経験を除いて)
学生時代は苦手なことがあるたびに、自分には才能がない(実体理論)と感じたり
得意だと感じることも、実体理論的に考えてしまい上限があるのではないかと考えてしまうことが多かったです。
この本はもっとざっくりと要約してしまえば技術習得のためのメンタルケアのための本なのかもしれません。
なにか出来るようになりたい目標があるとき、
そのプロセスには焦りを感じる時、外的要因に憤りを感じる時間というものが確かにあったと思います。
そんな時にどう対処していくかのヒントがたくさん書かれているなと感じました。
おわりに
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
今回はジョッシュ・ウェイツキンさんの「習得への情熱ーチェスから武術へー」の読書感想文を書かせていただきました。
タイトルではプログラマーへのおすすめと書かせてもらったのですが
勉強やスポーツを頑張っている人や、子どもの教育を考えているパパさんママさんにも自信を持ってオススメできる内容になっております。
物語形式で読みやすい本なので是非読んでみてください。