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開発プラクティス

【読書感想文】『プロセス・オブ・UI/UX[UXデザイン編』実践的UXデザインを学ぶための一冊

ソフトウェア開発において、画面のデザイン決めるのって正直大変ですよね。
大まかにこんな機能が欲しい、って言葉から使える形にすることがどれだけ大変か。

プログラミングだけやりたい。コーディング楽しい。つけ麺食べたい。
うぅううぅううぅ〜(泣)

そんな泣き言いっても、ソフトウェア開発をする以上デザインは避けては通れない道。

今回は『プロセス・オブ・UI/UX[UXデザイン編] 実践形式で学ぶリサーチからユーザー調査・企画・要件定義・改善まで』という本が、良い感じにソフトウェアデザインの企画・立案方法をご指導してくださったので紹介したいと思います。


最近はデザイン系の本を読むことが増えていて、以前紹介させていただいた「The Elements of User Experience」という本もかなり勉強になりました。しかし抽象的な内容が多く、ゆえに私のように実践に繋げにくいと感じる人がいるかもしれません。

今回勝手に紹介させて「プロセス・オブ・UI/UX[UXデザイン編]」は内容が非常に具体的なので、両者を組み合わせて考えるとバランスが良いと考えています。

この記事では、本書がどのような本で、どのような特徴があり、読者が何を得られるのかについて、感想を交えながら解説します。

「プロセス・オブ・UI/UX[UXデザイン編]」ってどんな本?

正式名称『プロセス・オブ・UI/UX[UXデザイン編] 実践形式で学ぶリサーチからユーザー調査・企画・要件定義・改善まで』(以下、本書)は、株式会社エクストーンの桂信氏によって執筆された、UI/UXデザインのプロセスを実践的な形式で学べる書籍です。2024年5月22日に初版がでました。ありがとうございます。

本書は、架空のプロジェクト(ニュースアプリの企画・開発)を読者がプロジェクトメンバーの一員として追体験する形で構成されています 。具体的には、UXデザインのフェーズに焦点を当て、リサーチ、ユーザー調査、ペルソナ設定、カスタマージャーニーマップ作成、企画立案、コンセプト定義、そして要件定義に至るまでの一連の流れを網羅的に解説しています。  

本の特徴

本書の最大の特徴は、架空のプロジェクトとはいえ、その進行プロセスやスケジュール感が非常に実践に近い点です。オリエンテーションから始まり、4ヶ月という期間を設定し、各フェーズ(リサーチ、ユーザー調査、企画、要件定義など)に具体的な時間を割り当てて解説が進められます。

これにより、読者はUXデザインの各工程が実際の業務でどのように進むのか、どの程度の期間を要するのかをリアルに想定しながら読み進めることができます。

本書から得られた知見

UXデザインプロセスの全体像と各工程の繋がり

リサーチから要件定義までの一連のUXデザインプロセスが、具体的なプロジェクトを通して示されるため、各工程の目的、具体的な作業内容、そして工程間の繋がりを深く理解することができました。

理論を実践に活かすための具体的なノウハウ

ユーザー調査の計画、インタビューの実施方法、ペルソナやカスタマージャーニーマップの作成手順など、理論だけでは掴みづらい実践的なノウハウが豊富に盛り込まれています。これらはすぐに自身の業務に応用できるものばかりです。

特にユーザーインタビューのセクションでは、架空の被験者(子育てをしながら働く女性や定年間近の男性など)に対するインタビューの具体的な内容や、そこからインサイトを抽出するプロセスが詳細に例示されています 。これにより、『The Elements of User Experience(UXデザインの要素)』のような理論書で学んだ知識を、どのように実務に落とし込み、具体的なアクションに繋げれば良いのかが明確に理解できます。  

プロジェクト進行における意思決定のポイント

架空のプロジェクトを通して、各フェーズでどのような情報(インプット)を基に、どのような判断(アウトプット)を下していくのかが具体的に示されています 。これにより、プロジェクトを推進する上での意思決定の勘所を養うことができます。

多様なUX手法の適切な活用タイミング

本書ではペルソナ作成、カスタマージャーニーマップの策定、そしてそれらを踏まえた上での要件定義、オブジェクト指向UI(OOUI)の検討などの各手法がプロジェクトのどの段階で、どんな目的で活用されるのかが丁寧に解説されています。

これにより、プロセス全体の流れをスムーズに把握すると共に、手法ありきではなく目的に応じて適切な手法を選択する能力が身につきます。

情報整理・伝達の技術 (特に印象に残ったポイント)

あまり本の中で明示的に言及されているわけではありませんが、読者に分かりやすいように情報を整理し提示する著者の工夫も随所に見られました。

特に、多くの表が効果的に用いられており(例:ユーザーインタビューの結果まとめ表、要件定義の表など)、そのまとめ方は非常に勉強になりました。

情報を構造化し、視覚的に分かりやすく伝える技術は、実務においてスプレッドシート・miroで情報整理を行う際などにも応用できると感じました。

まとめ

『プロセス・オブ・UI/UX[UXデザイン編]』は、UXデザインのプロセスを具体的かつ実践的に学びたいと考えるすべての人にとって、非常に有益な一冊です。特に、UXデザインの初学者や、自身の知識や経験を体系的に整理し直したい方々にとっては、座学で得た知識を実務に繋げるための強力なガイドとなるでしょう。

本書で紹介されている架空のプロジェクトを追体験することで、読了後にはUXデザインプロセス全体に対する深い理解と、それを実践する自信が得られるはずです。

この感想記事が、本書を手に取るきっかけとなれば良い感じにハッピーです。

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